げんかい392号・今月のアルバム拝見 ~田畑裕司氏の第3次昭和切手と収入印紙の使用済シート~

2月の例会は、天野安治・本部長も出席されるので、入手したばかりの第3次昭和切手4点と収入印紙1点の使用済シートを見ていただくため、これらを持参していました。ところが、出席してみると、コレクション紹介の輪番を決めていなかったとのことで、これ幸いということで、これらの使用済シートを急きょ出席者全員にご覧いただきました。そのため、アルバム・リーフにも入れておらず、切手を裸のままで机の上に並べ大変失礼いたしました。


さて、今回入手した使用済シートは、いずれもアメリカの切手商の在庫から直接購入したものです。額面は、第3次昭和の5銭、10銭、20銭、50銭および収入印紙5銭の5シートで、写真図版は、このうち第3次昭和の10銭を除くシートをご覧いただきます。用紙はすべて粗紙です。銘版は第3次昭和の10銭と収入印紙5銭が中字で、あとは小字です。消印は、いずれも「仙台花京院通 21.6.1」の櫛型日付印が押されています。5銭、20銭および50銭がC欄3星で、10銭と収入印紙5銭がC欄為替ですが、3星とかわせ印では、局名の字体が違います。アメリカの切手商の在庫には、あと10銭のみ2シート、同種のものがあるとのことでしたが、それは購入しませんでした。50銭のシートの裏面には「小包」のゴム印が押してありました。
第3次昭和10銭、20銭および50銭の別納使用済シートは、時々見かけます。私がなぜこれらのシートを買ったかというと、先ず消印が当時としては極めて鮮明で、日付けが昭和21年7月24日以前だったからです。この年の7月25日には郵便料金が大幅に値上がりして封書の基本料金も10銭から3倍の30銭になりましたので、郵便料金値上げ前の日付けのものは、高額の使用になるため使用済ブロックですら少ないのです。そして、これらの3額面は、いわゆる追放切手(昭和22年8月1日以降使用できない措置)にならなかったので、昭和23~24年以降の別納使用済シートが残っていて、年号が後になればなるほど有り難味が薄れるのです。追放切手になった5銭の使用済シートは、なおさら貴重です。ただし、未使用が多く残っているため、確か「日進」の局名を持つ後消しまたは偽消しとの疑いが持たれる5銭の使用済シートを、かつて見たことがありました。

 収入印紙5銭について、天野・本部長をはじめ出席者のご意見では、「昭和21年6月であれば、切手が不足して、郵便局で切手の代用として収入印紙を使用したとは考えにくい。多分、利用者が別納用に持ちこんだシートの中に収入印紙も紛れ込んでいて、使用されたものであろう。」とのことでした。
第3次昭和切手は、定常変種が多くの位置にあるので、これからどのように整理しようか考えているところです。